2010年6月23日水曜日

PR2プロジェクトの紹介: ボッシュ研究所

米国西海岸時間 June 23, 2010

ボッシュ研究所(米国にある独Bosch社の研究所)

PR2プロジェクト: パーソナルロボット市場の開発 - 新しいセンサーと自律性の共有による新しいアプリケーションの実現

ロボット研究においては、質の高い研究用プラットフォームの利用が非常に限られていることが、新しいアプリケーション開発の大きなネックの一つになっています。Boschによる「PR2リモートラボ」は、PR2を持っていない研究所からでもPR2へのアクセスを可能にします。もちろん、Boschには独自のPR2研究プランもあり、それを世界中の研究者と共有していきます。Boschの北米研究開発センター(RTC)は、より安全で、手頃に手に入り、優れた能力を持つパーソナルロボットを作ることにより、パーソナルロボット市場を開発することに注力していきます。Palo Alto(ウィローガレージの隣りの市)にあるBosch研究所のロボット開発チームは、ドイツ、シュトゥットガルトにあるBosch本社の研究所のセンシング、信号処理、マニファクチャリング等の専門家と緊密に連携をとりながら共同研究しています。

Boschは自らの最新センサー技術をPR2に統合し、新しいアプリケーションとコストの低減化の実現を目指します。センサーの種類としては、加速度センサー、ジャイロセンサー、力センサー、空気圧センサー、新しい近距離センサー等が含まれていて、これらは他のPR2ベータ研究機関でも共有されることになります。

Boschは長期的にはロボットの市場を開発することに主眼をおいています。それは、簡単な作業だけでなく、複雑な環境においても高い信頼性で働くことができ、しかも手が届く価格のロボットを作るということです。この課題に向けてBoschがとろうとしているアプローチの一つは、自律性の共有です。これにはロボットだけではなく人間も含まれます。ロボットが、まだ早く、信頼性の高い作業ができないタスクは人間に手伝ってもらいます。自律的なシステムと人間による操作のそれぞれの強みを統合することで、パフォーマンスを向上させ、システム商用化のコストダウンを図るのが目標です。

Boschは2009年3月からROSを使って開発した成果を公開することでコミュニティに貢献しています。今後、以前このブログで紹介した三次元復元の研究をROSとPR2に発展させます。これによりPR2は正確なテクスチュアによる三次元モデルを自分の環境に構築することができるようになるでしょう。

Boschチームのプレスリリースはこちらです。

チーム紹介

Boschチームはコンピューターサイエンス、機械工学、電気工学、航空工学の研究者とBosch社のセンシング、認識、信号処理、マニファクチャリングの専門家による混成チームです。うち数人は、現在スタンフォードの自律走行車レーシングチームのメンバーでもあります。

* Jan Becker: チームリーダー
* Christian Bersch: プランニング、認識
* Charles DuHadway: 自律性の共有、リモートラボ
* Benjamin Pitzer: 三次元復元、リモートラボ
* Soeren Kammel: 三次元復元、イメージ処理
* Lukas Marti: センサー、信号処理

他に素晴らしいインターン生がチームに加わっています。
Hao Dang (コロンビア大学)、Adam Stambler (ラトガース大学), Michael Styer (スタンフォード大学)、Joerg WagnerとSebastian Haug (ともにシュトゥットガルト大学)

また他地域のBosch研究所の研究者がプロジェクトに参加します。

下は、11のPR2ベータ研究機関が集まったワークショップにおいてJan Beckerが行ったBoschのプロジェクトのプレゼンテーションです(翻訳中)。PDFのスライドは、こちらからダウンロード可能です。



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