2010年6月9日水曜日

PR2プロジェクト その2 UCバークレー


米国西海岸時間 June 9, 2010

PR2ベータプロジェクト: パーソナルロボットのためのプラットフォーム

カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)はすでにPR2を使った経験があります。昨年の冬、Jeremy Maitin-Shepardがウィローガレージにやってきて何日か夜を徹してPR2で研究を行いました。このプロジェクトの終わる頃にはJeremyは100%の確率でPR2にタオルをたたませることができるようになりました。バークレーがPR2を受け取とろうとしている今、私たちはこのチームが他に何を達成してくれるのかとても楽しみにしています。彼らは、形が定まっていない物体のマニピュレーション、階層的プランニング、認識、デモ学習など意欲的なプロジェクトを行なっていきます。

タオルたたみはバークレーの柔軟物と洗濯に関する研究の始まりに過ぎませんでした。バークレーの研究者たちは今後2年間で、全く新しいレベルに挑むことになります。PR2が洗濯物かごに入っている汚れた衣類を洗濯させ、洗濯し終わったものをたたむ、つまり洗濯を最初から最後までを自分でするというものです。これには、より困難な課題がいくつもあります。タオルたたみにおける課題の一つは、しわくちゃのタオルをまっすぐにして平らにたたむには、どこをつかめばよいのかを正しく特定することです。衣類を用いて、さらに難しい様々な形状のものを扱うための手法を向上させていかなければなりません。またPR2も、洗濯物を最初から最後までするためには、優れたロバスト性を持って操作を行い、新しいタスクを達成する必要があります。

UCバークレーのJason Wolfeは昨年夏のウィローガレージでのインターン期間中にPR2を使って階層的プランニングの研究を行いました。人間は毎日ほとんどの行動においてこの種のプランニングを行っています。もしあなたが 洗濯物を自分の部屋に運ぶのと目覚まし時計の電池交換を両方しなければならないとしたら、おそらく洗濯物かごを持ち上げて部屋に向かう前にキッチンの引き出しを開けてバッテリーを取り出そうと考えるでしょう。2つのことを別々に行うこともできますが、行動をより適切に計画できればより効率的に時間を使うことができます。同様のタスクプランニングがロボットの動作をより効率的なものにします。UCバークレーはこの課題に新しいPR2を使って取り組んでいきます。

認識の研究領域では、PR2が現実世界の物体を探し、それと相互作用する能力を高めていきます。研究領域の中には、ガラスなど透明な物体の認識や人間の検出、物体把持のための正しい方法などが含まれています。

最後になりますが、彼らはPR2にデモ学習させることを計画しています。ロボットのプログラミングは非常に時間がかかり、プログラムの専門家を必要とします。
もしロボットにさせたいことを自分がやってみせるだけでロボットが学習できるとしたらどうでしょうか。彼らはデモ学習によりPR2に単純な組み立てなどのタスクを教えることに挑みます。

チーム紹介

UCバークレーチームは関連分野の幅広い領域の専門家で構成されています。

Prof. Pieter Abbeel: ロボティクスと機械学習
Prof. Trevor Darrell: ロボットの認識とコンピュータビジョン
Prof. Stuart Russell: 階層的プランニングおよび学習
Prof. Ruzena Bajcsy: 三次元復元とロボティクス
Prof. Ken Goldberg: オートメーションとロボティクス
Prof. Bjoern Hartmann: 人間、コンピュータ、ロボット間のインタラクション
Prof. Michael Jordan: 機械学習
Prof. Dan Klein: 自然言語処理
Prof. Jitendra Malik: コンピュータビジョン
Prof. Claire Tomlin: 制御と検証

優秀な大学院生およびポスドクのみなさん
Mario Fritz、Haomiao Huang、Warren Hoburg、Judy Hoffman、Sergey Karayev、 Jeremy Maitin-Shepard、Stephen Miller、Mathieu Salzmann、Pranav Shah、 Arjun Singh、Hyun-Oh Song、Jie Tang、Ramanrayan Vasudevan、Michael Vitus、Jason Wolfe


プレゼンテーション

下はPR2ベータプログラム参加機関が集ったワークショップでArjun Singhが行ったUCバークレーのプロジェクトのプレゼンテーションです。PDFのスライドのダウンロードはこちらから。



原文

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