2010年7月6日火曜日

ねえ、ロボット、ビール持ってきて!


米国西海岸時間 July 6, 2010

ウィローガレージでは、金曜日の夕方5時頃になると、多くの人が「あ〜、よく冷えたビール、すごくおいしいだろうな」と考え始めます。しかし、往々にして週末の前に片付けておかなければならない仕事で忙殺されているものです。こういうことがあまりに多いので、もしロボットがビールを持ってきてくれたら完璧なのに、と考えていました。ウィローガレージの夏のハッカソン第3弾の目的は、この夢を叶えることでした。夏のハッカソンでは、既にあるROSのツールとパッケージを使い、月曜日にプログラミングをスタートして金曜日の午後にデモを行ないます。その間睡眠をとるかどうかは、あくまで本人の自由です。

このハッカソンの目標は、しっかり安定した状態で、しかもユーザーフレンドリーにビールをとってきて渡すことでした。さらにロボットに、安全に、どこの部屋にでも届けさせたいと思いました。それには、アームを折り曲げた状態でのナビゲーションが要求されます。

ビールを安全に運ぶために、私たちはPR2のベース部分に”バーキーパー"を設置しました。ロボットのベース部分にあるナビゲーション用レーザーの後ろに、四角い発泡体に4つの穴をあけてビールホルダーを作り、取り付けたのです。3つの丸い穴は、移動する間ビール瓶を入れておくもので、4つめの穴には栓抜きが入っています。オフィスにあるごく標準的な冷蔵庫に傾斜をつけたセルフストッキング(1本取り出すと次のビールがスライドしてくる)のラックを備え付けることで、ロボットが人間の助けを借りなくても、多くの人のリクエストに応じてサービスできるようにしました。

スクリーンショット
ユーザーエクスペリエンス(使いやすさ)については、まず”Beer Me(ビール、頂戴)"という名のウェブアプリケーションに取り掛かりました。このウェブアプリケーションでは、ユーザーに、冷たいビールやサイダーのメニューと、届ける場所を選ぶためのプルダウンメニューが与えられます。誘われるような”Beer Me"ボタンをユーザーが押したら、マジックが実現するかどうかは、ロボットの仕事になります。ロボットは、自律的にナビゲートして冷蔵庫に移動し、ドアを認識。ドアを開くためにはどこの位置をつかむべきかを正確に決定するため、ハンドル部分の検出を行ないます。そしてハンドルをつかんで引っ張り、開いた冷蔵庫の扉が閉じてしまわないように、扉と冷蔵庫の間に移動します。

ロボットは物体認識を使用してどのビールがラックにあるかを判断し、もしユーザーが選んだものがなかったら、それをウェブアプリに報告します。もしあれば、注文されたビールをビールホルダーに入れ、ドアを閉じ、指定された部屋まで運びます。このパズルの最後の1ピースは、どのように手渡しするかでした。パーティで床にビールをこぼして顰蹙をかうようなことを絶対ロボットにさせたくなかったので、手渡しの動作に関しては顔検出機能を加えました。ロボットはビールを差し出し、近距離にある顔を検出するまで待ちます。そして一番近くにいる人を見て、ビール瓶が強く引っ張られたら、グリッパを緩めます。ロボットは、栓抜きを渡し、返してもらうまで待つこともします。また、ロボットに普通の栓抜きを使ってビール瓶を開けさせることにも成功しました。

ロボット研究者はこれまでこんな言葉を耳にしたものでした。「ロボットってクールだと思うけど、ビールは持ってこれるの?」と。PR2はできるようになりました。それどころか、瓶をあけてくれるかもしれませんよ。

RVIZ Beer classification

原文

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