2010年12月8日水曜日

PrimeSense社ドライバーを公開、オープンソース・コミュニティOpenNIを開始

openni.png安価な3次元センサー、マイクロソフトKinect™の赤外線深度カメラを開発したイスラエルのPrimeSense™社は、"Natural Interaction™"(自然なインタラクション)を利用したアプケーションをオープンに育成するための開発者組織OpenNI™をスタートさせました(注:Willow Garage社も創立メンバーとなっています)。

育成努力のはじめとして、プライムセンス社は、マイクロソフトKinect™やプライムセンス社の開発キット5.0(PSDK 5.0)やその他のデバイスに用いられているRGB-Dカメラ向けのオープンソース・ドライバーを公開し、OpenNIの開発者コミュニティ向けに、ハードウェアを提供することになりました。これは、開発元からのカメラやセンサーへの直接のサポートを可能にし、商用利用されている実際の方法が提供されることになります。また、低位ドライバー(画像と音センサー)や高位ソリューション(コンピュータービジョンやトラッキング)との通信を可能にするオープンソースのOpenNI APIも公開されます。最後に、ジェスチャーなどの"Natural Interaction™"を利用したアプリケーションの開発を可能にする骨格(スケルトン)をトラッキングするNITEライブラリーもWindowsとUbuntu向けにリリースされました。Willow Garage社は、PrimeSense社とともに、オープンソース・ドライバーを公開する作業を進めてまいりましたが、PrimeSense社のOpenNI創立メンバーに加われたことを、光栄に存じます。


プライムセンス社のRGB-Dセンサー(カメラ)は、ロボットやその他産業用途に、大量生産される安価な3次元センサーを提供し、輝かしい将来の幕開けとなりそうです。OpenNIは、HRIやHCI(人とロボットやコンピューターとのインタラクション)における3次元認識の利用を加速化させ、3次元認識技術が急速に進化しても、新しいセンサーやライブラリーやアプリケーションが互換性を保つことに貢献します。

この数週間、弊社は、libfreenect/OpenKinect™コミュニティのメンバーとともに、Kinect™ 向けのオープンソース・ドライバーを提供する作業を進めてきましたが、これらの成果を、新たにプライムセンス社から提供される貢献物と迅速に統合する作業をすでに進めています。コンピュータービジョン向けによりよいデータを提供するため、工場出荷時の校正情報(キャリブレーション)や画像レジストレーションなど、センサーAPIが持つフルの情報を利用する予定です。また、NITE™の骨格や手のトラッキングのライブラリーをROS向けにラップしています。骨格トラッキングを利用することにより、映画「マイノリティ・レポート」ばりのユーザー・インターフェースの実現(注:下から2番めのMITによるビデオをご覧ください)が早まります。共通化されたOpenNI APIは、オープンソース・コミュニティ内のOpenNI上に開発したライブラリーやアプリケーションの共有と相互開発を促進します。すでに、libfreenect/OpenKinect™とRGB-Dセンサーを使った多くのすばらしいハックを見てきましたが、開発元提供のドライバーやライブラリーとセンサーのフルな能力とコミュニティのパワーによって、どのようなすばらしい技術やアプリケーションがさらに開発されていくか、大変に楽しみです。

このリリースは、オープンソース・コミュニティ参加者の多くの尽力の賜物によって、可能となりました。プライムセンス社の当初のプランでは、ドライバーのオープンソース化は、もっと後になる予定でしたが、オープンソースKinect™コミュニティの急速な発展と規模の大きさが、プライムセンス社によるオープンソース化の加速化を促し今回のリリースとなりました。今回のアルファ版より正式なリリースは、2011年の初期に予定されていますが、今回可能となったドライバーやライブラリーへアクセスは、開発者が冬の休暇シーズン中に新しい可能性を探るためにいろいろ遊ぶことを可能としました。アルファ版初期であるため、弊社では、フル機能をROSに統合する作業を行い、ドキュメントも準備しています。ROSに統合されたドライバーやNITEライブラリーの利用方法などに関しては、近々、このブログ上にて、進捗状況をご紹介いたします。

プライムセンス社のPSDK 5.0開発キットは、独自に入手が可能になりましたが、ロボット開発にいくつかの利点を提供しています。USBのみの電力供給、センサーは、Kinect™より小さく軽量。プライムセンス社は、この開発キットを限定数、販売しています。こちらにて、PSDK5.0開発キットの購入希望にサインアップできます

OpenNIが提供するバイナリーの入手やさらに詳しい情報は、OpenNI.orgをご覧ください。ソースコードを含んだ開発に興味がある方々は、ソースをGitHub上のリポジトリーで確認でき、メーリングリスト形式の開発者コミュニティgroups.google.com/group/openni-devにも参加できます。Kinect™に関わるROSコミュニティの成果や開発については、ros-Kinect™ MLに、ご参加ください。


原文

Blogでは紹介されていないOpenNIの利用例

リアルタイム(実時間)状況分析(シーン・アナライザー)


手のトラッキング


ROS-Kinectの利用例(すべて、PR2コミュニティメンバー)

カリフォルニア大学バークリー校 - Kinectを用いた障害物回避とクァッドローターの自律飛行


マサチューセッツ工科大学CSAIL研究所 - 映画マイノリティ・レポート風「手の認識」


インテル研究所&ワシントン大学 チェス・ロボット

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